歯周病はお口の中にいる細菌によって、歯を支えている骨が破壊されていく病気です。放っておくと歯が抜け落ちてしまうだけでなく、糖尿病や動脈硬化など全身の疾患にも悪い影響を与える深刻な病気でもあります。当院では、負担の少ない飲み薬を使った「歯周内科治療」に取り組んでいます。
当院では、2001年より飲み薬を服用することで歯周病の症状を改善していく「歯周内科治療」を行っています。
歯周内科治療とは、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)内の細菌叢(菌の集団)を減少、細菌の活動を安定化させることで、歯ぐきの腫れや出血、膿がでるといった症状の早期改善と再発予防が期待できる治療法です。
当院では初めて来院された患者さまの場合、次のような検査を行っています。
位相差顕微鏡検査によってお口の中の菌の種類、菌数を特定できたら、その菌に有効な抗生剤、抗菌剤を処方します。丁寧な検査で、一人ひとりの患者さまのお口の状態や症状に合った治療を行います。
投薬は定期的に行うものではありません。一度、細菌叢をリセットして症状が進行しないように管理することが目的です。
歯周病は感染症なので再感染する可能性はありますが、再感染をしたらすぐに症状が出るわけではありません。細菌叢を安定化することで、菌が原因となる歯周病の急性症状は起こりにくくなります。
歯周病は、感染症です。
投薬後、早期に症状が安定しても、歯周ポケット(歯と歯ぐきの溝)が深いと再感染しやすくなります。
歯垢や歯石をしっかり取り除き、歯ぐきを健康的な状態に改善させることが必要です。
歯周病が治ったら再感染に気をつけましょう!
回し飲み、回し食い、箸の使いまわし、キス、くしゃみなどで感染します。家族から感染しまので、夫婦一緒に治療することをお勧めします。
お口の中が清潔であれば歯周病菌が感染する可能性は低くなります。
お口の中を清潔に保つためには、毎日の歯磨きが大切です。歯科医院で正しいブラッシングのコツを教えてもらいましょう。毎日の歯磨きで歯周病菌が増えることを防ぐことができます。自分で磨けない部分は誰しも必ずありますので、定期的に歯科医院でプロによる歯のクリーニングを受けることをおすすめします。
主訴 | 歯茎が悪い ズキズキ痛む |
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口腔内状況 | プラークコントロールは良好 歯肉の炎症は少しだが、歯肉の退縮が大きく上顎前歯は暫間固定をしている。 |
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レントゲン診断 | 年齢の割には骨吸収が進んでおり、縁下歯石(歯肉の下につく歯石)が目立つ。 |
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歯周ポケット検査 | 全額的に4mm以上で6割の部位が6~8mm 検査時の出血はプラス 排膿マイナス |
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顕微鏡診断 | カンジダ トレポネーマ 運動性桿菌がみられた |
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診断 | 侵襲性歯周炎 |
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治療計画 | 抗生剤投薬 スケーリング 縁下歯石除去 親知らずの抜歯 患者には上顎は前歯・奥歯は抜歯になる可能性があり、前歯はブリッジ(連結の差し歯)奥歯は入れ歯が予想されると説明 |
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経過 | 1週間後、痛みは改善。顕微鏡診断では、菌叢は改善されていた。上下のスケーリング後、ポケット検査をすると数か所深いポケットがみられたが全顎的に改善されていた。その後、SRPと親知らずの抜歯を行い再検査。 症状が安定しているため虫歯の治療のみ行い経過観察。4年後、再感染と左上前歯の急性症状がでたため投薬。ご本人がインプラントを希望されたため専門医に依頼。その後、再感染あるが18年までに2回の投薬とメンテナンスで管理と21年よりホームケアとしてパーフェクトペリオを使用。 **15年のレントゲンでは部分的に歯槽骨の改善も見られている。 |
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初日:お口の中のクリーニング
2日目:2回目のクリーニング
4日目:歯周ポケット検査
4日目
歯周ポケット検査
歯石や着色がつきやすい方は3か月管理をおすすめします。
細菌叢も安定していれば半年から1年の管理でも大丈夫になるようにホームケアを頑張りましょう。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
午後 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | △ | × |
午前:9:00~13:00
午後:14:30~19:00
△:土曜日は18:00まで
休診日:木曜・日曜・祝日